毎年のことですが、
夏の季節が近づくと、ご自宅で洗濯を希望される
襦袢や着物のお仕立てをよく承ります。
特に襦袢生地(ポリ以外)で、
ご自宅で洗濯(手洗い)が可能が売り文句の生地が多いです。
でも、ご注意下さいませ。
このタイプの生地。
仕立て上がってから、手洗いされると縮みます。
商品の説明書にもきちんと明記はされているのです。
洗い方の注意書きが書かれているのですが、
6番の※印の所に、
『約4%程度縮む恐れがあります』と表記されています。
大半のお着物ファンの皆様は、この注意書きを読まれないかと思いますが
読まれても、4%だと まぁ少し位は大丈夫か。と判断されがちかと。
この4%は大きいですよ。
たとえば、襦袢丈3尺3寸(約125センチ)としますと、
4%→5センチ(約1寸3分)
袖丈が1尺3寸(約49センチ)とすると、
4%→2センチ(約5分)
こんな感じで短くなります。
袖丈1尺2寸5分になります。
身丈は3尺1寸7分です。
少し位縮んで短くてもOK って方はよいかと思いますが、
当店をご利用のお着物ファンの皆様は、多分ダメの範囲ですよね。
では、どうすればそれを防げるか。
仕立てる前に縮めて、縮みを落ち着ける方法がお奨めです。
但し、お手間ですよ。
①ご自身で費用を掛けずにする方法
反物の屏風のように、パタパタ畳んで、洗面器のぬるま湯につける。
その後、手押しで軽く脱水。
風通しのよい所で陰干し。
乾ききる寸前に、当て布をしてアイロン(低温)。
この作業を2回か3回すると、縮みが落ち着きます。
(1回だけだとまだ少し縮みます。)
手間ですが、出来上がった時の洗う・アイロンがけの練習にもなります。
時間に余裕があれば、洗う前に反物の長さを計っておくと、
実際に縮むことをご理解頂けると思います。(びっくりしますよ)
このお手間が面倒な方は、おそらく出来上がりの襦袢を
ご自宅で洗濯はしないかと思います。(専門店の丸洗い等かと)
②仕立て前に費用を掛けて水通しをする。
当店でも承っておりますが有料です。
①の内容を専門的に行う作業になります。
このどちらかの方法をお仕立前に行っていれば、
縮みは落ち着いてきてますので、仕立て上がり後も、
比較的簡単に、ご自宅で洗濯いただけるかと思います。
でも、洗濯したあとには、必ずアイロン作業が必要ですので、
やはり、お時間とそれなりの労力は必要かと。
お洒落には、時間と労力は必要ですよね。
ちなみに、個人的には、②の有料の方法よりも、
だんぜん①の方法がお奨めです。